2013年 7月 恒例の夏休みにお薦めの軽い本
キケン
                    有川 浩著 新潮文庫        
 成南電気工科大学 機械制御研究部の話、通常の青春モノといえば、運動部の話ですが、これは文化系のクラブ活動の話。危ない部長、副部長に引き連られた1年生が、四苦八苦しながら物事に打ち込んで成長していきます、特に学園祭のシーンは面白い。こんな学生時代が過ごせればいいなって感じる本です。
史上最強の内閣
                          室積 光著 小学館文庫
 今の内閣は二軍の内閣で、本当の内閣は京都に存在する、そんな奇想天外なことからスタートします、その内閣の行動を逐次記録するということで、TV、新聞の記者が密着して取材をしているという視点で書かれています。民主党内閣の末期をパロディー化し、北朝鮮との問題(核兵器、拉致問題)など、現在の時事もある程度盛り込まれています。強い政治、リーダーシップはこうあるべきだ!と少しは考えさせられます。でも大笑いできます。
                          (柏木 英樹)
2013年 5月 外資系金融の終わり
                藤沢 数希著 ダイヤモンド社
 銀行はお金の貸し借りによって儲けます。安い金利で調達したお金を、貸し出すことにより、その利ザヤで稼ぎます。金融機関で高額の給料は無理です。そこで金融商品(投資信託等)を作り、投資家に売ることにより売却手数料や運用手数料を稼ぎ、多額の利益を確保し高額な給料の支払いを可能にしました。金融商品の中身は「いいもの」も「悪いもの」もたくさん組み合わせることにより、一見すれば「いい商品」を創ります。さらにそれらを組み合わせると、その内容を正確に把握することが困難なものになります。その結果、金融危機が生じると、世界中がその影響を受けます。しかし、このような問題をおこした投資銀行(証券会社)を潰すと金融システムが崩壊するので出来ません。
 そこでバーゼル委員会と金融安定理事会が世界から30ほどの金融機関を選定し、厳しい自己資本規制を課すことを決めました。その結果、今までの暗黙の政府保証ではなく、監督官庁によりまさに潰されない金融機関が明示されました。日本からは、みずほ、三井住友、三菱UFJが選ばれています。投資をするなら複雑なものより、シンプルなもの(自分が分かるもの)がいいと実感しました。
                          (柏木 英樹)
2013年 6月 モチベーション 3.0
                 ダニエル・ピンク著 講談社
 人はどのような時に主体的に動くのか、ということについて述べられている本。
 モチベーション1.0の時代は、食べること、生き抜くことが主動源、2.0になると褒められることや罰せられることを避けると変わります。賃金でつって人を働かすというと一番分かりやすいのではないでしょうか。この考え方は、ここ100年近くうまく作用し、経済成長を助けました。
 では、これからはどう変わるのか?2.0の考え方だけでは、人は主体的に動いてくれなくなりました。心理学や、行動学など様々な方法からアプローチし、どのようにすれば自分の部下のやる気を起させるのか、具体的なアドバイスが書かれています。
 正直、この本を読み切るのに3カ月かかりました。さっと読める本ではありません。しかし、自分が部下の立場だったらこういう考えの上司や会社であればもっと働くだろうなって感じましたし、子供に対する接し方の参考にもなります。
 社員のモチベーションが上がらないと悩まれている経営者の方、必読の1冊です。
                          (柏木 英樹)
2013年 8月 不格好経営
               南場 智子著 日本経済新聞出版
 DeNAの創業者である南場氏の自叙伝。経営コンサルタントである彼女が、あるクライアントの一言で熱病にうなされるかのように起業して成功への道を邁進することが書かれている。主に成功体験でなく、失敗体験を中心として。ベンチャー企業がどのように成長していくのかが実感でき、こんな会社で働いてみたかったと感じた本。また、働き方、考え方が、少し前と今とでは大きく違ってきていることを考えさせられた。
 この中で一番印象に残ったのは「人脈」、彼女は「逃げずに壁に立ち向かう仕事ぶりを見せ合う中で築いた人脈以外は、仕事で役に立たないと痛感している。誰もが自分の仕事で忙しいときに、自分の仕事の最短ルートから少し外れてでもほかの誰かのために何かをしようとするならば、それは、ひたむきな仕事ぶりに魅せられた相手に対してだけなのではないだろうか」と述べている。友人や知人がたくさんいても、遊びならともかく、仕事に役立つ人脈は仕事で作るしかないのだ。ビジネスが厳しい時、新たな出会いを求めてゴルフや会食に参加しても、遊びになら役に立つかもしれないが、ビジネスでは役に立たない。このことは肝に銘じておきたい。
                          (柏木 英樹)
2013年 2月 心を整える
                           長谷部 誠著 幻冬舎
 先月号で紹介したリブセンスの村上社長が推薦している本。
 書者は、サッカー選手の長谷部 誠氏(日本代表チームの元キャプテン)。サッカーには全く興味がないので、私自身は長谷部氏のプレーを観たことがない。本を読んだ感想は、まじめ、実直、自分に厳しい人という印象。自分のプレーに専念できるように自分を律する姿勢がすごい。「迷ったときこそ、厳しい道を選ぶ」という考え方がある。厳しい道ほど自分に多くのものをもたらし、新しい世界が目の前に広がるという。今の日本人は楽な方に流れる傾向が強い。あえてヨーロッパに飛び出したのも、挑戦し続けるためなのか。また、彼はスポーツ選手に見られる派手なプレーは行わない。ファンが喜ぶ、他のチームからのオファーがくるようなことよりも、そのチームに何が必要か、監督が自分に望んでいることは何なのかに着目し、プレーをしている。そのため、監督が代わると長谷部は必要なのか?といわれるという。試合中に、彼だけの動きを追うと、その価値がわかるという。
 経営者もアピールが上手な社員を重要視しがちであるが、彼のように全体の流れを把握し、目立たぬ動きをする社員をきちんと評価しなければならないのではないか。
 プロとは、どういうものかを考えさせられた本でした。
                          (柏木 英樹)
2013年 10月 超一流の働き方
                    奥谷 啓介著 経済界  
 著者はニューヨークのプラザホテルでアジア担当の営業部長を10年務めた人物。
 日本では「石の上にも3年」という言葉があるように、何事も続けることが重要だと考える向きがありますが、グローバルスタンダードでは、ゴール到達こそが重要で、そのためには今まで費やした時間や労力はあっさりと切り捨ててしまうそうです。アメリカでは先にゴールを定め、「こうすればこうなるだろう」という仮定に従ってアクションプランが作られます。途中で想定と異なれば今までのことは、一切切り捨て次の仮定を想定してアクションプランが作られます。日本では、今までの過程が重要視されるため、過去に捕われることが多く、全てを捨て新しい取組に移ることは、ほとんどありません。効率化を考えるとアメリカ方式の方が優れています。「ゴールに到達するためには進路はいくら変えてもいい」、経営者としては胸に刻んでおきたい一言です。
 上記のように、日本の慣習と違うこともありますが、仕事仲間に感謝の念を言葉と態度で示し続けることが重要という共通項もあります。アメリカでは仕事であっても嫌いな人のためには働かないとのこと。その際、重要になってくるのが感謝の念を表現することだという。日本は以心伝心の国、相手が理解していると甘えを捨て、はっきりと相手に伝えていかなくてはならない。社内できちんと感謝の念を、言葉や態度で示せているだろうか、今一度見つめ直す必要がありそうだと感じました。
                          (柏木 英樹)
2013年 12月 世界のエリートはなぜ、この基本を大事にするのか?
                      戸塚 陸将著 朝日新聞出版
 著者は、慶應義塾大学卒業後に、ゴールドマン・サックス、マッキンゼーで勤務し、ハーバードでMBAを取得した人物。
 6つのパートに分けて記載されていますが、その中で自分自身が着目したことの1つ目、「先輩・上司との飲み会を避けないこと」、会社員の時は、プライベートを大事にしたいとの理由で通常の飲み会はパス、税理士になっても会務の後の懇親会は、なるべく避けてきました。しかし、食事やお酒の席では普段口にしない話題に及ぶことも多いし、また時間を共有することによりお互いに信頼関係が高まったり、普段話をしない方からアドバイスをもらえたりします。生きていくこと、ビジネスも全て人との関わりから生まれます。積極的とまでいかなくてもなるべく参加していく方向に転換しました。
 2つめは「メールの返信のスピード=あなたの仕事の評価」著者のゴールドマン・サックスで仕事中は、メールを出してから6時間以内に世界中から返信が返ってきたとのこと、返信の速さの理由としては、「効率仕事術を身につけている人が結果的に出世していること」「レスポンスの速い人ほど一流のプロフェッショナルという共通認識がある」「レスポンスの速い仲間を正当に評価するシステムがある」ということです。返信はすぐするにせよ、3日後に返信するにせよ、いずれしなければいけないことなら、相手には都合がいいし、自分も仕事を一つ片付けることができます。もしすぐに返信できないのであれば、その旨の断りメールをいれることで信頼を保てます。
 ビジネスをする上でヒントが多い本でした。できることから実行していこうと思います。
                          (柏木 英樹)
2013年 11月 税務署は見ている。
                   飯田 真弓著 日本経済新聞出版社
 著者は大阪国税局の元調査官。暴露本ではなく、税務署が行っている仕事についての紹介、税務調査や情報収集について記載されています。
 友人の税務職員にも聞いたのですが、税務署の情報収集は日夜行われています。飲食店での会話、社用車の停まっている店や会社などもメモされ、KSK(国税総合管理)システムに蓄積されています。経営者の方は、公共の場所で話される場合は要注意です。それも自社の管内のお店では…。
 税務調査についてよくいわれている「お土産」は全く必要なく、ない方が次回の調査までの期間が開きます。そして税務調査については、協力的であることが重要とも書かれています。調査官も人の子、非協力的な態度をとられると公権力を使って調べに調べます。
 一番大事なことは、自社の経理について経営者が把握していること。知らないでは通じません。
 この本は、1時間程度で読めますので、気になる方は読んでください。
                          (柏木 英樹)
2013年 3月 個を動かす 新波剛史ローソン作り直しの10年
                 池田 信太朗著 日経BP社             
 近畿地方でコンビニといえばローソン、その理由はダイエーが親会社だったからです。このローソンがダイエーの経営危機で三菱商事の傘下に入りました。その途端、多くの店がバタバタと閉じられました。元気のないローソン、そんな印象が永く続いたのですが、最近では「スプーンで食べるロールケーキ」や「おにぎり屋」で復活してきました。
 今のような形を作ったのが新浪社長、ダイエーからの出向者が多く覇気のないプローパー社員と徹底的な話合いから始まりました。まず最初に手掛けたのがおにぎり、日本で一番美味しいおにぎりを作るという目標に取り組みます。従来からのしがらみが多い商品部(本部で商品の企画等をする部署)を排除し、運営部(実際の店舗に接している部署)で取り組みます。その理由は「もっとローソンを良くしたい」という情熱を持っている社員が多く存在したから。商品企画には素人でも情熱があれば乗り越えられるという考えからです。その結果、フレークではなく鮭の切り身等がはいったコシヒカリのおにぎりが誕生し、ローソン躍進の結果に繋がりました。
 1つの成功体験を得て、社内に活気が戻った次は、徹底的な権限移譲を行い、地域性を出させます。これはコンビニの覇者であるセブンイレブンとは逆を行く戦略。また、生鮮品を並べたり、女性をターゲットにしたナチュラルローソンが出来たりとここ数年で代わってきました。
 社員のモチベーションを上げるには、どのような行動をとるべきかを気付かせてくれます。
                          (柏木 英樹)
2013年 4月 僧職会計士の経営道
                  谷 滋義著 実業之日本社
 著者は会計士であり元ユアサ商事鰍フ社長、会長、社長退任後に僧侶になるという経歴の持ち主。本書は、仏教の考え方を経営に当てはめるとどうなるかという視点で記載されている。本文中に「蒔かぬ種子は生えない」とあります。芽がでなくても、本心からお客様の便宜を考えて会社を経営している限り、必ず蒔いた種子は生えてくると説きます。「縁」の条件を開拓し、工夫していけば、芽の出る時期が早まってくるとも。
 「儲ける」「儲かる」とは仏教用語の「因果」に当てはめれば「果」の部分であり、それが欲しければ、原点であるただよい種子「因」を蒔くだけである。種子を蒔かずに、若芽の生長ばかりを気にするのは愚の骨頂であると説きます。
 西洋的な経営書を読んでいると「和」についての記載があまりありません。本書は宗教的な観点から「人」としてどう生きるべきかについて説かれているページが多いように思いました。
 自分の行動、考え方が全て結果に繋がります。周りの環境などに左右されることなく信念が必要であることを実感させられました。
                          (柏木 英樹)
2013年 9月 Like A Virgin
            リチャード・ブランソン著 日経BP社
 イギリスの多国籍企業、ヴァージングループの創始者が、成功哲学について語った本。様々な質問に答える方式で書かれています。
 起業するのにあたってのアドバイスでは、「事業の立ち上げや育成、資金の投資方法について『これだ!』という処方箋はない。それは、あなたの興味や目標、それと新しい会社との結び付き、あなたのリスク許容量などで決まる。基本的には、自分の直感に従うことを覚えよう。」と答えています。リチャードは、まず自分や従業員が仕事を楽しむこと、さらにお客様が楽しめることを、ビジネスの基本としてきました。その哲学は、企業グループが大きくなっていっても変わりません。
 また、創業者や経営者に対するアドバイスは、「部下に任せること」です。自分で全ての決定権を握ろうとすることは、部下の成長を止めてしまうこと。部下は、任されたことにより、その期待に応えようと更に努力することにより、企業としてはより強くなりことを説いています。経営者が全ての指示をだしていれば、部下は経営者に依存してしまい、潜在能力を発揮する機会を失ってしまいます。
 最近、読んでいる本の多くに、仕事は自分自身で全て行うのではなく、部下に任せるようにと書かれています。自分で全てを行うと、ビジネスに限界が生じます。経営者に一番必要なのは、信頼できる部下を育てること、そして仕事を任せる勇気を持つことではないかと感じています。
                          (柏木 英樹)
2013年 1月 リブセンス(生きる意味)
                   上阪 徹著 日経BP社
 東証で最年少上場を果たした リブセンス 村上太一社長のインタビューを基に記された本。
 村上社長は起業を夢見て高校3年(早稲田大学高等学院)から事業企画書を作成するなど準備を始めた。早稲田大学政治経済学部1年の時、同大学でベンチャーコンテストが開かれ優勝する。その際も優勝するために、ライバルのプレゼンテーションを観、自分たちが優勝するには何をすべきか(事業計画以外で審査員の目に留まるためには)を熟考したという。
 起業の仕組みよりも印象に残ったのは、現在の若者の考え方である。村上社長曰く、「私たちの世代は、基本的に世の中を疑ってかかっているかもしれません。ブランドがいいと言われても、本当にそれがいいのか自分で納得しないと受け入れられない」という。
 リブセンスの経営理念は、「幸せから生まれる幸せ」。これは、社長が過去を振り返って自分がどんな時に楽しかったのか、どんな時にうれしかったのかをひたすら考えた。そこにヒントがあるからだと思ったからである。その結果、理念ができた。このサービスがあって良かったといわれるようなものを作りたい。心のそこからそう思ったのが、リブセンスのサービスに繋がっている。

リブセンス アルバイト、求人の検索サイトを中心に手掛ける。出稿の初期費用は0円、採用する時点で課金が行われる。採用された場合、採用祝い金が求職者に支給される。
                          (柏木 英樹)
   
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